はじめに

こんにちは。Kogorouです。今回は、航空機メーカーBoeingの2021 3Q決算を見てみました。航空宇宙産業に身を置いている身として、いつも注視している企業です。それではお楽しみください!

注意事項

*正確な情報提供に努めておりますが、情報を各ソースから収集、まとめている中で不正確な情報になってしまう可能性がございます。ご自身での確認もなにとぞよろしくお願いいたします。また個別株の売り買いを推奨しているわけではありませんので、投資は自己責任でお願いします。

参考資料

Boeing 2021 3Q決算資料:リンク

概要

  • 民間機、防衛・宇宙、航空機関連サービスの三セクションにリスク分散し、ビジネスを行う、巨大航空機メーカー。
  • 2018/2019年のBoeing 737Max墜落、Covid 19の影響を受け、2019,2020年度と業績悪化に苦しんだ。業績はようやく回復しつつあるが、まだ途上にある。
  • 想定されているビジネス課題は、Boeing 787の不具合解決、Boeing 777Xの開発完遂、中国での737Max再承認、スターライナーの不具合解決など。
  • マーケットは成長市場。10年間で$9兆ドルの市場規模があると、予想している。(Boeingの年間売り上げの150倍)
  • 長期で見れば、復活のストーリーが考えられるが、課題が解決しないと手が出しにくい銘柄。エアラインからの受注の動向を見つつ、良い決算が出るようになるのを待ちたい。

株価推移

2019年の最高値を超えられていない。737MAXの墜落以降、株価的にはぱっとしない銘柄。

ビジネス環境

Boeing 2021 3Q決算資料より抜粋。

  • 10年間で9兆ドルの需要
  • 新造機納入機数
    • 2030年19000機
    • 2040年44000機
  • 貨物機納入予想
    • 2610機(②021-2040年)

安定した防衛・宇宙関連需要。

民間機のリカバリーは順調だが、回復のペースは国によってまちまち。

2023/2024年にかけて、民間機需要は2019年レベルに戻るだろう。

エアラインは、中期的な航空機購入プランニングへシフトしてきている。(退役機の増加、二酸化炭素排出量&運用効率性の追求)

米中間の通商貿易が主要な鍵。

2021 3Q決算

全体

  • 2021 Q3の売り上げは、$15.3Bコンセンサス予想:16.27B-6.12%のミス
  • EPSは、-$0.60コンセンサス予想:-$0.15-299.02%のミス
  • コア営業利益:$59M。営業利益率:0.4
  • 決算は、ボロボロ。Boeing 737 Max/787関連のAbnormal Costが大きな要因。固定費が高いことに加えて、滞留中の機体のメンテナンス費もかさんでいる。

2021 3Q決算-民間機部門

  • 2021 Q3の売り上げは、$4.5B(Y/Y 25%)
  • 737の安全な運航再開継続中。
  • 787納入はインパクトあり。FAAと引き続き協力し、問題解決にあたる。
    • 月産2機を継続。納入再開後、月産5機。
    • $183Mの追加費用を計上。累計$1.0Bになることを予想。
  • 777Xの納入は2023年後半を想定。
  • バックログは、4,163機($290B)
  • 受注:737 MAX:70機 貨物機:24機 787:12機
  • 納入:85機(うち、737MAXが62機を占める)

2021 3Q決算-防衛・宇宙部門

  • 2021 Q3の売り上げは$6.6B(Y/Y: -3%)
  • 新規&継続案件
    • 5機の哨戒機P-8Aをドイツから受注
    • 空軍からのJDAM契約
    • 陸軍CH47ヘリ チヌーク 4機受注
  • バランスの取れたポートフォリオ
    • 無人機MQ-25によるF-35Cへの給油成功
    • 37機の納入(CH47チヌークのオーストラリア初納入を含む)
  • スターライナー:$185Mの追加費用
    • 2022年にフライトテストがずれ込んだことによる残作業の費用計上
  • $6Bの受注。バックログは、$58B。

2021 3Q決算-グローバルサービス部門

  • 民間機のサービス売り上げは、COVID 19の影響からリカバリー中。
  • 防需関連サービスの売り上げは安定している。
  • 767の貨物機転用のキャパシティーを増強するためのパートナーシップを報告。
  • 新規&継続案件
    • 737-800のBCFへの12機の追加改修
    • 空軍のC-17関連のグローバルロジスティックス契約獲得
  • 受注:$4B バックログ:$19B

2021 3Q決算-キャッシュフロー

  • 現金:$9.8B。有価証券:$10.2B
  • 負債:$62.4B
  • キャッシュは減少し続けているが、減少量は改善傾向。まだ$20Bは残っている。
  • バランスシートの改善に注力中。

所感

  • 決算を見る限り、まだまだ輝かしいTurn Around Storyを思い描くことができない。
  • 一方、ライバルであるエアバスの生産も急激に増産することはできないことから、マーケットシェアをエアバスにすぐに奪われることも考えにくい。そのため、今後の成長市場を考えれば、長期的には、よくなってくると思う。
  • 航空機産業はすそ野が広く、サプライヤー管理が容易ではない。サプライヤーを巻き込み、いかに統合的な品質管理を進めていけるか、またエアラインに対して、魅力的な次世代航空機を提供できるかが今後の中長期的な成長課題になってくる。
  • 自分の判断としては、様子見。エアラインからの受注の動向を見つつ、良い決算が出るようになるのを待ちたい。

おわりに

みなさんいかがだったでしょうか?株価的には、さえない企業ですが、Boeingと仕事をしていた関係で、いつも気になってしまう会社です。民間航空機といえば、AirbusとBoeingしか、ほとんどありませんので、寡占市場を防ぐためにも、ぜひ頑張ってもらいたいと思います。

また、ほかの航空機メーカーも見ていきたいと思いますので、内容がよければ、いいね!よろしくお願いします。